今回は皆さんが一度は聞いたことがある「消費税」の仕訳について解説を行います。
消費税とは
「消費税」とは商品の販売やサービスの提供に対して課される税金のことで、消費者が税金を負担し、事業者が納税を行います。
このように、税金を負担する者と税金を納める者が異なる税金を「間接税」といい、「消費税」は「間接税」の性質を持つ税金です。
下記の図のように、A社はB社から商品を仕入れる際に、B社に「消費税」を支払います。
またA社は、消費者に商品を売上げた際、「消費税」を受け取ります。
そして、A社は「受け取った消費税」と「支払った消費税」の差額を納付するという流れになります。
消費税の仕訳について
それでは消費税の仕訳を行いましょう。
例題1
- A社はB社から靴下300円を仕入れ、消費税を含めた金額を現金で支払いました。
(消費税率は10%とします。)
靴下300円を仕入れたため、借方「仕入300」となります。ここで仕入に消費税を含まないように注意しましょう。
消費税を含めた金額を現金で支払うので、貸方「現金330」となります。
(消費税率10%の時の税込み価格の計算式は【商品価格×1.1】で求められます。300円×1.1=330円)
そして差額の消費税30円を「仮払消費税」という勘定を用いて表します。借方「仮払消費税30円」となります。
例題2
- A社は消費者に靴下500円を売上げ、消費税を含めた代金を現金で受け取りました。
(消費税率を10%とします。)
靴下500円を売上げたため、貸方「売上500」となります。ここでも売上に消費税を含まないように注意をしましょう。
消費税を含めた金額を現金で受け取るので、借方「現金550」となります。
そして差額の消費税50円を「仮受消費税」という勘定を用いて表します。貸方「仮受消費税50」となります。
消費税の決算時の仕訳について
決算時、例題1の「仮払消費税30」と例題2の「仮受消費税50」の残高をゼロにする仕訳を行います。
借方の「仮払消費税30」を貸方に記入し、貸方の「仮受消費税50」を借方に記入し相殺します。
そしてここからが重要なポイントとなります!
「仮受消費税」が「仮払消費税」よりも大きい場合、貸方に「未払消費税」を記入します。
「仮受消費税」が「仮払消費税」よりも小さい場合、借方に「未収消費税」を記入します。
今回は「仮受消費税」が大きいため、貸方に差額の「未払消費税20」を計上します。
確定申告時の仕訳
決算時「未払消費税」を計上した場合は、確定申告時に「未払消費税」を減少させ、消費税を納付します。
決算時「未収消費税」を計上した場合は、確定申告時に「未収消費税」を減少させ、払い過ぎた消費税の還付(戻ってくる)を受けます。
今回は「未払消費税20」を計上してますので、借方に「未払消費税20」を記入し、貸方に納付した勘定科目を記入します。今回は現金で納付したとしましょう。
これで消費税の仕訳に関する一連の流れは終わりです。
まとめ
- 「消費税」とは商品の販売やサービスの提供に対して課される税金のことで、消費者が税金を負担し、事業者が納税を行う。
- 仕入は消費税を含まない金額を計上し、支払代金は消費税を含んだ金額を計上する。差額の消費税は「仮払消費税」を用いて表す。
- 売上は消費税を含まない金額を計上し、売上代金は消費税を含んだ金額を計上する。差額の消費税は「仮受消費税」を用いて表す。
- 決算時、「仮受消費税」が「仮払消費税」よりも大きい場合、貸方に「未払消費税」を記入。「仮受消費税」が「仮払消費税」よりも小さい場合、借方に「未収消費税」を記入。
- 決算時「未払消費税」を計上した場合は、確定申告時に「未払消費税」を減少させ、消費税を納付。「未収消費税」を計上した場合は、確定申告時に「未収消費税」を減少させ、払い過ぎた消費税の還付(戻ってくる)を受ける。
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