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「し・くり・くり・し」とは?決算整理仕訳で行う「仕入・繰越商品・繰越商品・仕入」について解説

簿記3級

「し・くり・くり・しって何??」「商品売買の決算整理仕訳が分からない、、」とお困りの皆さま。今回はその問題を解決しましょう!

商品売買の決算整理仕訳について

商品売買の決算整理仕訳について当サイトの「三分法とは?仕入・売上・繰越商品を用いた仕訳について解説」で少し解説をしております。
今回解説する「し・くり・くり・し」の決算整理仕訳を理解する前に一度ご覧いただくと、より理解が深まるので一度ご覧ください。

それでは例題を用いて段階を踏んで理解を深めましょう。

例題1

  1. A会社はB会社から300円のスリッパを8足仕入れ、現金で代金を支払いました。

300円のスリッパを8足仕入れたので、借方は「仕入2,400」となりますね。
支払いは現金でしたので、貸方は「現金2,400」となりますね。
仕訳は「仕入2,400/現金2,400」となります。

例題2

  1. A会社はC会社に上記のスリッパを500円で4足売り、現金で代金を受け取りました。

A社はこのスリッパを500円で4足売ったので、貸方「売上2,000」となりますね。
現金で代金を受け取ったので、借方「現金2,000」となりますね。
仕訳は「現金2,000/売上2,000」となります。

例題3

  1. 決算日を迎えたので決算整理仕訳を行いました。また期首商品棚卸高600円(スリッパ300円×2足)がありました

「期首商品棚卸高」とは?

「期首商品棚卸高」とは「前期から繰り越された在庫の商品」のことです。
企業は毎期、商品を仕入れて、売るを繰り返しています。

下記の図のように2022年に商品を10個仕入れて、7個売り上げた企業には、3個の商品が在庫として残ります。当期仕入れた商品を「当期商品仕入高」と呼び、残った商品のことを「期末商品棚卸高」と呼びます。そして期末商品棚卸高は、次期の期首に「期首商品棚卸高」となります。

それでは例題1から例題3の各勘定を整理してみましょう。
下記の図は決算整理仕訳を行う前の各勘定の現在の状態です。
例題1、例題2から仕入勘定の借方に「①2,400」売上勘定の貸方に「②2,000」が記入されています。
例題3では前期から繰り越された在庫の「期首商品棚卸高600円」がありますので、繰越商品勘定の借方に「③600」が記入されております。(繰越商品は資産のため、資産の増加は借方に記入)

例題1~3で各勘定の現状を整理しましたが、上記の図は正しい経営成績を表しておりません
商品売買の仕訳を三分法を用いて行った際は、必ず決算整理仕訳が必要となります。

それでは決算整理仕訳を行いましょう。今回行う修正は2点あります。

  1. 仕入を増加させ、繰越商品を減少させる仕訳
  2. 繰越商品を増加させ、仕入を減少させる仕訳

この2点を行うことで商品売買の決算整理仕訳が行えます。

仕入を増加させ、繰越商品を減少させる仕訳とは?

例題3の問題文に「期首商品棚卸高600円がある」と書かれています。
期首商品棚卸高は前期から繰り越された在庫の商品のため、当期その商品を売ることができます
つまり、前期からの在庫商品である期首商品棚卸高は、当期の仕入れと考えることができます。


当期の仕入れと考えることができるため、まずは「仕入」を増加させましょう。
そして、在庫商品を仕入としたため、「繰越商品」から在庫商品を減少させる仕訳を行いましょう。
「仕入600/繰越商品600」の決算整理仕訳を行うことで、当期の「仕入」を600増加させ、「繰越商品」から在庫600を減らすことができます。

この「仕入600/繰越商品600」の仕訳が「し・くり・くり・し」の「し・くり」になります。
借方「仕入」の「し」・貸方「繰越商品」の「く」ということですね!

繰越商品を増加させ、仕入を減少させる仕訳とは?

当サイト「三分法とは?仕入・売上・繰越商品を用いた仕訳について解説」の例題3と同じように、現在の状態では「当期の在庫」「当期の利益」がまだ判明しておりません。
「繰越商品を増加させ、仕入を減少させる仕訳」を行って「当期の在庫」「当期の利益」を求めましょう。

まずは「当期の在庫」を求めましょう。
本来であれば、原価300円のスリッパが6足(当期仕入8足+繰り越さた2足-当期売上4足)残るはずですが、繰越商品の勘定には6足の在庫が記入されていません。
下の図のように「繰越商品」の借方に⑤在庫のスリッパ6足分(300円×6足=1,800円)を記入することで在庫の存在を表すことができます。

次に「当期の利益」を求めましょう。
仕入勘定には、当期仕入れた①8足のスリッパ2,400円(300円×8足=2,400円)と前期から繰り越された④2足のスリッパ600円(300円×2足=600円)が仕入原価として記入されています。

決算整理仕訳では仕入勘定で「売上原価」を表す修正が必要のため、下の図のように仕入勘定の貸方に当期残った在庫のスリッパ6足分(300円×6足=1,800円)(当期仕入8足+繰り越された2足-当期売上4足)を記入することで差額で売上原価を表すことができます

そして売上売上原価の差額で今回の利益である800円を求めることができます

この一連の修正から例題3の決算整理仕訳は「繰越商品1,800/仕入1,800」となります。
借方「繰越商品」は期末商品棚卸高(在庫の商品)の増加を表すことができ、貸方「仕入」は当期仕入れた分(2400円)と前期から繰り越された在庫を当期仕入と考えた分(600円)から、在庫商品の原価(1,800円)を減らすことで、仕入勘定で当期の適切な売上原価を表すことができます。

この「繰越商品1,800/仕入1,800」の仕訳が「し・くり・くり・し」の「くり・し」になります。
借方「繰越商品」の「く」・貸方「仕入」の「し」となります。

まとめ

  1. 「期首商品棚卸高」は「前期から繰り越された在庫の商品」のこと。
  2. 当期仕入れた商品を「当期商品仕入高」当期残った商品のことを「期末商品棚卸高」
    そして期末商品棚卸高は、次期の期首に「期首商品棚卸高」となる。
  3. 「期首商品棚卸高」がある際の決算整理仕訳は「し・くり・くり・し」を用いて仕訳を行う。
  4. 「し・くり・くり・し」とは「仕入を増加させ、繰越商品を減少させる仕訳」と「繰越商品を増加させ、仕入を減少させる仕訳」のこと。

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